NATセッション数って知ってますか? 簡単に説明するとインターネット上の(IP)アドレスに対して接続されたルーター機器が内部のアドレスから接続するためにアドレス変換(NAT)する際にTCPのポートを使って接続(IPマスカレード)を行います。この接続を可能にする最大数がルーターによって定義されています。
NVR510のNATセッションガジェット
NATセッション数が確認できる家庭用ルーターは少ないですが、YAMAHA NVR510などの半分業務でも使える機種などは管理画面で確認することができます。
管理画面の「NATセッション数」ガジェットを表示するように設定すると、こんな感じで、リアルタイムでセッション数を表示させることができます。
機器の最大NATセッション数
家庭用のルーター機器の場合、カタログやパッケージ、ホームページなどにNATセッション数が記載されていることは稀です。価格によっても差がありますが、現在市場に流通している家庭用のルーターだと、1024~2048のセッション数に制限されています。
業務用のルーター機器の場合には、その辺りがシビアに見られるので記載されているケースが多いですが、少し前の機種では4096くらいが一般的でした。
例えば、今回紹介する「NVR510」ではセッション数は、65534ですが、前機種の「NVR500」のセッション数は4096となっていて、最近の機種ではNATセッション数が多くなってきているのが特徴です。
理由は、動画配信やネットワークゲームなど、インターネットと頻繁に通信するアプリやサイトが多くなってきている状況で、NATセッション数が上限になってしまうケースが増えてきている背景があります。
NATセッション数が最大値になってしまうと、どうなってしまうのか?
という疑問が湧いてきますが、NATセッション数が上限に達すると、それ以上の機器でインターネットへの接続が制限(つまりは、使えない)されてしまいます。
利用するNATセッション数
今回、NVR510の「NATセッション数」ガジェットを使って各アプリやハード機器で使われるセッション数を調べてみました。結果はこんな感じになりました。
NETFLIXやYouTubeなどの動画サービスをブラウザで表示 | 20~50 |
Google マップなどの地図系のサービスをブラウザ表示 | 50~100 |
モンスターハンターなどのPC向けネットワークゲーム | 20~40 |
PS4/XBOXなどの据え置き型ゲーム機器を起動 | 100~200 |
ゲーム機器以外にWindowsなどのパソコンでも同様に1つの端末を起動すると100くらいのセッション数が上がります。
例えば、65534のセッション数であると、1つの端末が200セッション使うと想定すると、があっても実際に使うTCPのポートを考えると327台の端末が利用できる計算になります。
しかし、1つの端末でも動画サービスや、ネトゲなどインターネット通信がメインのアプリやブラウザを利用する場合にはさらにセッション数が増えて、利用可能な端末数が減ります。
NATセッションのピーク時も記録可能
NVR510の管理画面では、セッション数の最大値が履歴として残っています。
私のNVR510では、こんなピーク時の記録が残っていました。
4618セッション…
家庭用のルーターであれば条件に達してしまうセッション数です。セッション数が計測できる機能があれば、セッション過多になっている端末を見つけるのも楽になります。インターネットを使う端末が多くなっている現在ではルーター選びも重要になってきています。
まとめ
YouTubeやネトフリなどの動画配信サービスや、ゲーム機器やネトゲなどを利用する環境が接続されたネットワークの場合にNATセッション数が上限に達してしまう状態が予想されます。
パソコンの他にも、Wi-Fi機器でスマホで動画を表示する場合でもセッション数が消費されていくので、多くの機器が接続された環境でも同様の現象が発生します。
通常、家庭用のルーター機器の場合にはNATセッション数が明記されている場合が少ないので、突然ネットワークが重くなってしまうなどの発生に悩まされることになります。
常時接続する機器が多い場合には、家庭用ではなく業務用に近い(NATセッション数が分かる)ルーター機器を導入することで、思いがけないネットワーク障害から解放される場合があります。
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