公開中の映画「機動戦士ガンダム ナラティブ」に登場する機体「シナンジュ スタイン ナラティブ バージョン」の製作日記です。今回はネオジオン機の特徴である「袖付き」パーツの塗装を紹介します。
機動戦士ガンダム ナラティブ
公開日に見に行った映画ですが、基本的には「機動戦士ガンダム UC」(ユニコーンガンダムが活躍するアニメ)の終了後の世界が描かれています。
映画の感想(ネタバレなしです)はFilmarksに記録してあります。 個人的には、「フロンタル」は「シャア・アズナブル」だったのかという疑問が更に謎になってしまう映画のストーリーになってます。
映画に登場する白いシナンジュ(スタイン)が袖付きとしてキット化されたのが、「1/144 MSN-06S SINANJU STEIN NARRATIVE Ver.」です。
設定では、ネオジオンによって強奪された地球連邦軍の実験用モビルスーツで「機動戦士ガンダムUC」に登場するシナンジュ(シャアの再来と呼ばれるフル・フロンタル搭乗機)の元となった機体です。
実は盗まれた機体は2機あり、フルフロンタル向けに換装されなかった機体が、この白いシナンジュスタインとして袖付きとして登場しています。
搭乗するのは「ゾルタン・アッカネン」という強化人間であり、コロニー内で発砲したり、シナンジュと共に、かなりの悪役キャラとして登場します。
「袖付き」エングレービング塗装
地球連邦軍は「袖付き」と呼んでいる機体の特徴ですが、キットでは胸部と腕部にモールドの造形が追加されてます。
その特徴的な色分けは成型色ではされていない(HGの価格では出来ない)ので、付属しているホイルシールを貼ることで実現しています。
今回は、これを塗装で再現してみます。と言っても、材料と根気があれば、そんなに難しくありません。
先に結論を見せると、こんな感じになります。
シールを貼るより、細かな塗分けができました。(多少黒色が残っているのはご愛敬です)
塗って剥がす作戦(エングレービング塗装)
今回は、ラッカー系とエナメル系の塗料を使って塗分けを行っていく作戦になります。
分かりやすい図にすると、こんな感じです。
最終的にトップコートをする形で仕上げますが、図を簡略化するために記載してません。パーツに、3層(白→透明→黒)で塗料を塗っていき、最終的に黒色の塗料を剥がして、白色塗料を剥き出しにする行程です。
とりあえず、白色塗装はサーフェイサーで代用しました。
写真の上側にある腕部の後ろに回り込む部分に、合わせ目があります。先回、後ハメ加工をしましたが、合わせ目が気になるようであれば、パテなどで埋めておくと仕上がりが良くなります。
今回は、ガイアノーツさんの「サーフェイサーエヴォ ホワイト」を使いました。
今回はエアブラシではなく、パーツに直接筆塗りしています。細かな部品で、白色にする部分が少ないので、多少の筆ムラが出来ても気にしなくても大丈夫です。
ラッカー系の塗料はエアブラシをすると室内にキツイ臭いがするので、寒い冬は極力したく理由もあります。1日くらい乾燥させたら、クリアで保護層を作ります。これもラッカー系であれば何でも良いです。
今回は、同じガイアノーツさんの「Ex クリアー」を使いました。
次にエナメル系の黒を重ねていきます。タミヤの定番「フラットブラック(XF-1)」を溶剤で3倍くらいに希釈してエアブラシで吹き付けました。
塗る面積が広いので、塗りムラが目立つので黒い部分はエアブラシをおススメします。エナメル系の溶剤はオイル臭なので、ラッカー系ほどキツクないので、寒い冬でも塗装後に少し換気するだけで済みます。(笑)
白い部材の上にエアブラシで塗装する場合、希釈しているため1回の吹き付けでは、塗り切れません。エナメル系の塗料の場合大量に乗せてしまうと、ムラが出来てしまうので、重ね塗りをする必要があります。
1~2回の吹き付けでは、こんな感じで黒色にならないので、少し乾かしては塗る固定を5~6回は繰り返して、少しずつ黒に近づけていきます。
根気よくやっていると、こんな感じにフラットな黒色になります。塗装は急ぐと、失敗する確率が高くなるので、落ち着いて気長にやることをおススメします。
趣味の世界なので、時間がある時にゆっくりと仕上げていくのが重要です。
綿棒で塗料を剥がして完成
黒色のエアブラシ塗装が完了したら、1日ほど乾燥させて最終工程の剥がしを行います。
使うのは、「エナメル系の溶剤」と「綿棒」です。綿棒は模型用の専用品もありますが、私は100均で売っている普通の綿棒を使います。理由は当然、安いからです。(笑)
100円ショップで売っている綿棒も最近は種類が豊富になってきていますが、私が好んで使うのは、先が小さくて硬い綿棒を使います。
先端が大きくてフワッとしている方が耳には優しそうですが、プラモデルに使うには柔らかすぎて使いにくいので、避けた方が良いです。
綿棒の先に、溶剤を付けてティッシュペーパーで拭き取りパーツの凸部分に軽く押し当てて、塗膜を剥がしていきます。
溶剤と付け過ぎると、余計な部分まで剥がしてしまうことになるので、必ず拭き取って、少ない溶剤にしておいてからパーツに押し当てます。この時に、綿棒の軸に近い部分を使うと、キレイに直線的に剥がすことができます。
多少余計な所を剥がしてしまっても、後で塗りなおせば良いので、被害が大きくなってしまうので、無理に修正せずに他の部分に集中した方が良いです。
腕部のパーツを例にすると、まず上下の直線的な部分を剥がしていきます。この部分は綿棒の根本を使って直線的に剥がしていきます。
こんな感じで上下の白い部分が出てきたら、中央の直線部分を、綿棒の軸に近い部分を押し当てて、剥がしていきます。
最後に、左右の模様部分を剥がしていきます。綿棒が当たるか当たらないかくらいの感じで、優しくパーツに近づけて、少しずつ黒色の塗料を取り除いていきます。
最高に難しいのが胸部の模様。モールドも深くないので、慎重に少しずつ綿棒で塗膜を剥がしていきます。
綿棒は汚れたら、すぐに交換していきます。100円ショップの綿棒は、もったいないと考えずに出来るのが利点です。特に模様部分は、少しでも塗料が付いたら新しくするくらいの感覚で行います。
綿棒で溶剤を付けるのが難しい場合には、面相筆や小さな平筆で塗る方法もあります。
場所によっては、綿棒の頭部分で場所が見にくくなる場合もあるので、筆で溶剤を先に塗ってから綿棒で剥がすようにすると、剥がしやすくなります。
単純な作業ですが、キレイに仕上げるには少しづつ気長にやっていく必要があります。
「シナンジュ・スタイン」は本家の「シナンジュ」ほど塗分けるパーツが無い(5個)ので、1~2時間くらい綿棒と格闘して、こんな感じの塗分けが出来ました。
まとめ
「袖付き」部分のキレイな塗分けが出来れば、作品の仕上がりをグンと上げることができます。
シールでも、十分な仕上がりが期待できるHGシリーズですが、塗装で塗分けることで、より精工な仕上がりになるので、時間がある方はチャレンジしてみてください。
シナンジュ・スタインは塗分けるパーツが少ないので練習用としては最適です。
今回使った「サーフェイサー ホワイト」、白色の塗料としても使えました。もちろん延びが良いので、筆塗りでも十分に使えます。
次回は、ようやく全体の塗装をしていきます。
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