3Dプリンターで正方形を造形したつもりが、少し歪んで菱形になってしまうとガッカリします。色々試行錯誤して見つけた対処法を備忘録的に投稿していきます。
大きなサイズほど歪む
正方形では無いですが、直角部分を合わせるようなパーツを造形した際に組み立てる際に合わせ目に大きな隙間が出来てしまうことがあります。
小さなモデルでも歪みはあるのですが、隙間も目立ったないので気にならないことが多く、大きなモデルになると隙間が目立ってしまいます。
正方形が歪んでしまう原因
- プリンターのX軸やY軸がズレている(プリンター側の問題)
ノズルを移動させる軸が異常な場合に、左右と前後で移動距離が異なってしまうので結果的に造形物が歪みます。
プリンター側に問題がある場合には、何を対応しても改善することありません。 - 樹脂による歪み(素材側の問題)
ABSやナイロンなど、ノズルの温度が比較的に高温の素材で造形する場合には、造形後に樹脂の温度が冷える過程で変形して反りや変形してしまうことがあります。
プレートやノズルの温度調整で多少は改善しますが、材料を変える以外に根本的な解決はできません。 - ノズルの移動方向
造形時にかかる応力が原因で歪みや反りが発生します。極端な例だとプレートから剥がした時に変形する場合もあります。
たいていの場合、塗りつぶしの時に応力が溜りやすいので、塗りつぶしの方向を工夫すると応力を減らすことができます。
塗りつぶしの方向を工夫
FDM式の3Dプリンターの場合、造形時にプレートとの密着性を上げるために、何度もノズルを往復させて塗りつぶしを行います。
この塗りつぶしをする方向によって応力にムラが出来上がってしまい変形させることになります。
ほとんどの機種では、塗りつぶしは斜めにノズルが移動することになります。
例えば、プレートに対して平行に四角形を配置した場合
こんな感じで、斜めにノズルが往復して樹脂層を形成していきます。この際、移動距離は対角線になるまで伸びていき、その後また短くなるように移動します。
実際に造形したモデルに直角定規を当ててみると、少しですが反ってしまっているのが分かります。
次にプレートに対して45度になるように配置した場合
こんな感じで、斜めにノズルが往復して樹脂層を形成していきます。今回は、先ほどの配置とは異なり移動距離は一定になります。
造形したモデルに直角定規を当ててみると、先ほどとは近い隙間が無くなりました。
配置による造形時のノズルの移動を図にしてみると、こんな感じです。
同じ大きさの四角を塗りつぶしていますが、配置の方向でノズルの移動距離が変わります。
四角形のモデルが、造形後に歪んで直角にならない場合には、スライサーソフトで配置する方向を変更して塗りつぶしを行う際のノズルの移動距離を揃えることで改善する場合があります。
まとめ
今回は、3Dプリンターで正方形や長方形のモデルを造形する際に歪んで変形する場合の対処法について書きました。
プリンターの軸や造形する材料(ナイロンやABSなど)によっても変形は起こりやすくなりますが、ノズルの移動距離(モデルの配置方向)でも発生する場合があります。
塗りつぶしが発生する際になるべく、ノズルが往復する距離を一定にすることで反りや変形を改善する場合があります。
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