公開中の映画「機動戦士ガンダム ナラティブ」に登場する機体「シナンジュ スタイン ナラティブ バージョン」の製作日記です。今回はバックパックの隙間のディティールアップの「しいたけ」加工をしてみます。
機動戦士ガンダム ナラティブ
公開日に見に行った映画ですが、基本的には「機動戦士ガンダム UC」(ユニコーンガンダムが活躍するアニメ)の終了後の世界が描かれています。
映画の感想(ネタバレなしです)はFilmarksに記録してあります。 個人的には、「フロンタル」は「シャア・アズナブル」だったのかという疑問が更に謎になってしまう映画のストーリーになってます。
映画に登場する白いシナンジュ(スタイン)が袖付きとしてキット化されたのが、「1/144 MSN-06S SINANJU STEIN NARRATIVE Ver.」です。
設定では、ネオジオンによって強奪された地球連邦軍の実験用モビルスーツで「機動戦士ガンダムUC」に登場するシナンジュ(シャアの再来と呼ばれるフル・フロンタル搭乗機)の元となった機体です。
実は盗まれた機体は2機あり、フルフロンタル向けに換装されなかった機体が、この白いシナンジュスタインとして袖付きとして登場しています。
搭乗するのは「ゾルタン・アッカネン」という強化人間であり、コロニー内で発砲したり、シナンジュと共に、かなりの悪役キャラとして登場します。
「しいたけ」ディティール加工
通称「しいたけ」と呼ぶらしいですが、下の写真のような放熱フィンのような造形を追加してみます。
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これ結構根気が必要な作業ですが、その分キレイに仕上げると、かなりのディティールアップの効果が間違いないです。
シイタケの作り方(プラ板の切り出し)
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今回は、このバックパックの羽根部分にフィンの造形を追加していきます。
最初にすることは、現物合わせで構わないので原型となる板を作ります。プラ板の厚みは、理論的には何ミリでも出来ますが、薄くなると失敗する確率も増えるので、0.5ミリくらいから始めると良いです。
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とりあえず、デザインナイフと定規で0.5ミリのプラ板を切り出します。この原型を基にして、同じ形状のパーツを量産していきます。
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ここからは細かな作業に入っていきます。基本、精度の良い冶具が作ることが出来れば、見栄えの良い加工ができるようになります。
1ミリのプラ板に両面テープを貼り付けて、カッターマットに貼りつけます。
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0.5ミリのプラ板を当てて、先に切り出しておいた原型を重ねてデザインナイフで切り込みを入れます。
力を入れすぎると、プラ板が動いてしまうので、刃先をなぞるように入れていきます。
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最後まで切断しないで、ある程度、切り込みが入ったらラジオペンチなどで折り曲げて、プラ板を割るようにして切断します。
最後まで切り取ると断面が曲がってしまう可能性があるので、途中まで切り込みを入れて、折った方が切断面がキレイに仕上がります。
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この作業を繰り返し、同じ形状のパーツを量産していきます。今回はスペアも含めて10枚切り出しました。
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切り出したパーツを向きを合わせて積層します。正確に合わせたつもりでも結構形が違っています。後で削って合わせるので、この時点で気にすることはありません。
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瞬間接着剤(ゼリー状が良い)を積層した断面部分に、「つまようじ」などで 全部の面に塗り、プラ板のパーツを1つの塊にします。
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最後にプラモデルに接着する面に、要らなくなったプラ板を貼りつけて面出しをしておきます。
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残りの3面を、鉄ヤスリで削ります。
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面出し用のプラ板を取り外して、目立てなどを使って固定用の溝(1ミリ)を作ります。
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放熱フィンとして見せる側の面に装飾を作るための線を入れて目立てやデザインナイフで削ります。
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こんな感じにメカニカルな装飾を追加していきます。あまり細かくしないで、少し凸凹させるくらいの方が取り付けた時に違和感なく仕上がります。
あまり細かな装飾をすると、パーツが変形したり折れたりするので注意してください。
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放熱フィンのような造形パーツを作ることが出来ました。
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シイタケの作り方(取り付け)
切り出したパーツを規則正しく並べて、放熱フィンのような造形を作っていきます。
最初に土台となる部分を0.3ミリプラ板で切り出します。
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1ミリの角棒を、土台となるプラ板に流し込みよう接着剤で固定します。
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量産したパーツとプラ棒の合わせ目を確認します。
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デザインナイフの刃先を使って、量産したパーツを剥がしていきます。無理に力を入れるとプラ板が変形してしまうので、焦らずにゆっくり1枚づつ剥がしていきます。
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ここからが一番根気が必要になる作業です。土台に接着したプラ棒をガイドにして、量産したパーツを接着していきます。
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短冊状に切った0.5ミリのプラ板を隙間に挟み込んで、等間隔にフィンが立つように接着していきます。
この時、1枚取り付けたら数時間、接着剤を乾燥させてから次のパーツの接着を行うように、ゆっくり作業を進めます。
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接着剤でプラ板が柔らかくなってしまうので、複数枚を一度に取り付けると、土台やフィンのプラ板が曲がってしまう可能性があるので、少し時間をかけて作業を進めるのが、キレイに仕上げるコツです。
4枚を等間隔に取り付けたパーツを2組作ります。
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十分に乾燥させた後に、バックパックに取り付けて「シイタケ」ディティールアップパーツの完成です。
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まとめ
「しいたけ」ディティールアップは、うまく仕上げることができれば、かなりの情報量を詰め込めるので、隙間が大きく開いてしまうようなパーツに取り付けることで、仕上がりをグンと上げることができます。
しかし冶具さえ作れば、細かなパーツを切り出して、等間隔でパーツを取り付ける作業は比較的単純作業にすることができるので、初心者でも結構簡単に行うことができます。
「しいたけ」加工は難しいと考えている方の参考になれば幸いです。
次回は、ネオジオンのモビルスーツのお楽しみな袖付きの塗分けをしていきます。
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